1990-12-11 第120回国会 参議院 本会議 第2号
財政再建は、特例国債依存体質から脱却して第二段階を迎えました。これまで大型景気を支えてきた好条件は次第に姿を消し、景気拡大、税収増加というパターンから景気の鈍化、税収の伸び悩みへとその様相を変えようとしておりますが、本年度せっかくなし遂げた財政再建をわずか一年で終わらせては絶対になりません。
財政再建は、特例国債依存体質から脱却して第二段階を迎えました。これまで大型景気を支えてきた好条件は次第に姿を消し、景気拡大、税収増加というパターンから景気の鈍化、税収の伸び悩みへとその様相を変えようとしておりますが、本年度せっかくなし遂げた財政再建をわずか一年で終わらせては絶対になりません。
過去七カ年に及ぶ財政再建の末、我が国の財政は今年度ようやく特例国債依存体質から脱却いたしました。しかし、これは政府の財政再建努力によるものでなく、大幅な自然増収と政府の意図的とも思われる税収の過小見積もりによるものであります。いわばバブル経済の恩恵を享受した企業からの税収増がもたらした結果であったと言わざるを得ません。 しかし、このバブル経済は国民生活に深刻な影響をもたらしています。
五十年代を通じ、我が国財政は特例国債依存体質からの脱却に何度も失敗を重ねてきましたが、平成二年ようやく財政再建という目標が達成されようといたしております。
一方、国の財政状況を見れば、来年度には特例国債依存体質を脱却できるとはいえ、本年度末で百六十二兆円に達する国債と二十九兆円の借入金を国は抱えているわけです。臨調・行革審路線による財界主導の行財政改革によって、社会保障費、教育費などを切り詰め、定員削減と賃金抑制によって公共部門の人件費を圧縮しても、なお百九十一兆円の借金があるのです。
このため、政府は、昭和六十五年度までに特例国債依存体質からの脱却という努力目標を立て、懸命なる努力を続けてきたところであり、その効果も徐々にではありますが着実に上がってきております。今年度予算においても、一層の努力を払うことにより、一般歳出は五年連続で前年水準を下回ることとなり、公債依存度は、特例公債を発行して以来初めて二〇%を切りました。
①は財政改革の方向を示すものであり、②は六十五年度までに特例国債依存体質からの脱却と国債依存度の引下げを、いわば努力目標に掲げているに過ぎない。また、③は後年度負担推計型の財政展望であり、それにおいて生ずる「要調整額」について、それをいかにして解消するかの方策を示すものではない。これをいかにして解消するかが示されて、実行性のある財政再建計画となりうるのである。
さらに、今後、特例国債依存体質脱却の目標年次である昭和六十五年度まで、毎年一般歳出伸び率ゼロの方針を予算編成の際貫くことが可能と考えておられるのか。さらに、そのような緊縮財政だけで膨大な要調整額を解消し得ると考えているのか。 以上三点をお伺いします。
しかし、五十四年度には約四〇%の国債依存率が、五十六年度二七%、来年度は二一%と着実に改善されており、今後とも歳出の節減と行政改革によって、五十九年度までに特例国債依存体質の改善を図る決意である」旨の答弁がありました。